株式会社フジタは8月1日、焼却灰を発生元である焼却施設等での安定化促進が行える「焼却灰オンサイト安定化促進システム」を開発したと発表した。
現在、焼却灰の処理方法としては熱処理や薬剤処理が行われており、塩類の除去を目的として機械を用いた洗浄脱塩処理が行われている。
これらは有効な処理方法ではあるのだが、専用の処理施設が必要となるため、一定の処理量を確保しなければならない。これに対して、安定化促進システムでは既製品のコンテナーを基に構成しているため、焼却灰の処理量や処理目的に応じて柔軟に変更することができる。
そのため少ない量を低コストで処理ができ、焼却灰をコンテナー内で静置状態のまま処理するため、稼動部が少なく、異物を含んだままであっても処理することが可能だ。
このシステムは最終処分場負荷を軽減するための前処理や、焼却灰の脱塩、受入基準超過灰の改質、リサイクル材の前処理等として活用する予定だ。
焼却灰に対しては上部からの散水や、下部からの炭酸ガスの通気によって洗い出しと炭酸化という両方の処理が可能であるということが特徴だ。
上部からの散水においては、焼却灰中の塩素等の塩類や有機物の洗い出しを行い、CO2ガス通気によって鉛やカルシウムの炭酸化による難溶化を促進する。
また可搬式の鋼製コンテナーを改造しており、それによって焼却施設の灰排出口からコンテナーに直接焼却灰を受け、そのままコンテナー内にて散水や通気による処理を行うことが可能だ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
株式会社フジタ
http://www.fujita.co.jp
プレスリリース(日経プレスリリース)
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID