環境省の公募事業で採択案件が決定
環境省は7月25日、6月2日から6月22日まで公募を行った「平成28年度潮流発電技術実用化推進事業」の採択事業が決定したことを発表した。
この事業は、再生可能エネルギーの導入量の拡大とCO2の削減のために、国内の海域に適した潮流発電の開発及び実証を行うものである。
審査では外部専門家から構成される審査委員会がヒアリングを行い、採否を決定した。
採否の検討で重視したのは「開発・実証の妥当性」、「技術的意義」、「社会的意義」、「実施体制・実施計画の妥当性」、「目標設定・達成可能性」、「事業化・普及の見込み」、「経費の妥当性」の7点。
審査の結果、九電みらいエナジー株式会社の案件が採択された。長崎県五島市沖にて、2016年~2019年まで実証実験などを行う予定だ。
継続的に安定した発電が可能な潮流発電
周りを海で囲まれた日本は、海洋再生可能エネルギーに関して大きなポテンシャルを有する。しかし潮流発電の技術はいまだ確立されておらず、実用化には至っていない。
既に欧州では商用規模の実証実験の段階に至っているため、日本でも早急に実証実験に取り組むことを決定した。
潮流発電は太陽光発電などとは異なり、一定した潮汐力によって年間を通じて安定した発電が可能で、系統への影響も少ないというメリットがある。
今回の事業で、日本の海象に適した潮流発電技術やメンテナンス手法、漁業協調型の発電システム、建設方法、環境負荷の低減、環境アセスメント手法の確立を目指す。
▼外部リンク
環境省のプレスリリース
http://www.env.go.jp/press/