高密度配筋にも確実にコンクリートを充填
清水建設は7月5日、型枠内へのコンクリートの充填状況を予測する、3次元シミュレーションシステムを開発したと発表した。
2012年に開発した高流動コンクリート充填シミュレーションシステムを進化させ、バイブレータによるコンクリートの流動挙動を評価する機能を付加したもの。
高架橋など高密度配筋となる土木構造物などに、3次元シミュレーションを行い、高密度化が必要な配筋にも、確実にコンクリートを充填できるようになった。
試験施工に頼らずに高密度な充填を実現
阪神大震災以降、耐震基準が改正され、土木構造物を強化するため、高密度配筋が求められるようになった。
しかし、高密度化はコンクリートの充填を妨げるため、バイブレータによる締固めを十分に行う必要がある。
施工で未充填が懸念される場合は、実物大の配筋・型枠を部分的に作り、バイブレータをかけながら試験施工を行って、充填性を確認する。しかしこの方法では、時間もコストもかかるという課題があった。
そこで開発されたのが、今回のシミュレーション技術である。コンクリートの流動特性を反映したモデルを構築し、コンクリートが鉄筋の間を流動しながら型枠に充填されていく状況を再現するため、試験施工に頼らなくても、コンクリートが確実に充填される施工計画が立案できる。
▼外部リンク
清水建設株式会社のプレスリリース
http://www.shimz.co.jp/news_release