大和ハウスグループの株式会社フジタは、トンネル工事に連続ベルトコンベアシステムを使用する場合、坑内の作業スペースを最大限に確保できる「連続ベルコン通過型スライディングステージ」を、株式会社東宏と共同で開発した。
同装置は、連続ベルコンを施工基面近くに配置し、ベルコン上部と接触しない高さにまでかさ上げしたステージ部と移動走行装置、トンネル前後方向に取付けた乗り上げ斜路で構成。連続ベルトコンベアと車両などの作業スペースを分離した。
実証実験では、スムーズな工事車両のすれ違い、坑内の安全性と作業効率の向上、連続ベルトコンベアの段取り替え不要による省力化等を確認。今後は、北海道新幹線野田追トンネル(北)工事に導入予定だ。
通常、トンネル工事に連続ベルトコンベアシステムを導入すると、ベルトコンベア設備が全線にわたり坑内断面の約30%を占有。
工事車両の転回やすれ違いなどを行うスペースが狭い坑内では確保できず、接触災害の発生や施工サイクルの低下が生じてしまい、転回用拡幅断面の設置や連続ベルコンのルート変更が必要だった。
新たに開発したスライディングステージは、ステージ部が連続ベルコン上部を通過。トンネル坑内各所に、坑内の幅員を広く有効活用可能な施工ヤードの構築が可能で、坑内運行車両のすれ違い場所を確保し、拡幅断面を不要にした。
その効果は長大トンネルになるほど発揮されるという。
移動可能なステージにより、トンネル進行に合わせた効率的な運用が可能。坑内に複数設置することで新たな施工ヤードが構築できる。
車両のすれ違いや駐車場所の確保により、坑内での車両運行ルールを確立することにより、安全性が向上、施工サイクルの改善も図れる。
ステージ部にターンテーブルを搭載すれば、坑内での車両の転回も容易だ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
PRTIMES ニュースリリース
http://prtimes.jp/
株式会社フジタ
http://www.fujita.co.jp/information/2016/post_355.html