大成建設株式会社は、岩綿吸音板の表面に有孔フィルムを直貼りする工法「T-Silent Film」を開発。室内空間での優れた意匠性と吸音性の両立が可能になった。
オフィスなどの天井内装仕上げ材には、室内の響きを抑制し会話を聞き取りやすくするため、吸音材として表面に細かいくぼみのある岩綿吸音板を用いることが多い。しかし、これらの吸音性のある仕上げ材はデザイン性に自由度が低く、意匠性を考慮した空間には不向きだった。
そこで今回、多くの色柄やデザインが選べる既存フィルムに微細な有孔加工を施し、岩綿吸音板にフィルムを直接貼り付ける工法を、スリーエムジャパン株式会社と協力し新たに開発した。
開発した有孔フィルムは、岩綿吸音板の吸音性を活かすために、既成品の「3Mダイノックフィルム」に、直径0.4mmの微細な有孔加工を施した厚さ0.2mmのシール構造を持つフィルム。単色、木目、メタリックなど755種類の色柄、デザインをそろえ、耐久性に優れる。
同工法は、下地処理をした岩綿吸音板に有孔フィルムを貼るだけの容易な施工が可能。在来天井、システム天井など種類を選ばず、さらに壁面にも貼り付けられる。
有孔フィルムの貼り付けにより岩綿吸音板の表面開口率は低下するが、施工後の吸音性は、話し声の聞き取りに影響があるという800ヘルツ帯域の周波数帯までは、岩綿吸音板の吸音性を上回り、良好な状態を確保できる。
同社は今後、意匠性が重視されるオフィスなどを主体に適用拡大を図り、空間演出のためのリノベーションにも、「T-Silent Film」を積極的に提案する計画だ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
大成建設株式会社 プレスリリース
http://www.taisei.co.jp/