キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は5月30日より、建築設計業や機械製造業をメインターゲットとしたCADソリューションの提供を開始する。
建築・機械系CAD市場をはじめ、近年日本国内のCAD市場は設備投資の増大に伴って活況を見せており、その規模は3000億円を突破。こうした背景の元、同社では3Dデータの活用領域の拡大を目指し、機械系CADと建築系CADを融合させた新しいソリューションを提案する。
今回キヤノンITSが開発したのは、機械系CADのSOLIDWORKSと建築系CADのVectorworksを融合し、空間に商品をはめ込んだ場合や、その活用シーンを想定してのイメージやレイアウトが可能なCADソリューションだ。
具体的には、SOLIDWORKSとVectorworksの双方でコアエンジンが共通である点に着目し、共通のFile形式である「Parasolid X_T」を採用。機械系CADであるSOLIDWORKS側で納入予定の備品のCADデータを作成し、それを建築系CADであるVectorworks側で作成したレイアウト図面やパース図に取り込むことを可能とした。
備品を室内のレイアウトに組み込んだ提案を行う場合、これまでは機械系CADと建築系CAD間で互換性が低かったため、内装の写真と商品データを合成したり、機械系CADであるSOLIDWORKS側でレイアウトをパースのように見せたり、といった手間が必要とされてきた。
今回のソリューションを導入することで、商品をレイアウト図面やパースで表現し、環境やシーンといった空間全体を顧客に伝えることがより容易に。これに伴い、空間全体をプロデュースして提案するなど、営業戦略の幅を広げる活用方法も考えられる。
キヤノンITSでは正式提供に先駆け、このソリューションを三和製作所に先行導入して有効性を確認。今後は、設計、施工、プレゼンテーションなど随所で3Dデータの業務活用が進む建築設計業・機械製造業へ向け、積極的な拡販を行う方針だ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
キヤノンITソリューションズ
https://www.canon-its.co.jp/news/detail/20160518es.html