大林組とライオン・スペシャリティ・ケミカルズは5月11日、気泡シールド工法用の起泡剤「レオフォームOL-10」を共同開発したと発表した。
気泡シールド工法は、切羽やカッターチャンバー内に細かなシェービングクリーム状の気泡を注入しながら地山を掘削する工法で、大林組が中心となって開発した。
粘性土から砂質土・礫質土に至る地質の変化にも柔軟に適応し、気泡生成設備もコンパクトなため、掘削断面の大小にかかわらず、幅広いシールド工事に適用できる。
近年、気泡シールド工法は掘削土質が複雑に変化する、長距離・大断面トンネルでのニーズが高まっている。このため掘進作業を効率的に行える高性能な起泡剤や、環境に負担をかけないように使用量の低減などが課題となっている。
新たに開発された「レオフォームOL-10」は、優れた発泡力で少量でも高粘土の気泡を安定的に生成できるのが特徴。
起泡剤の使用量を、従来品の3分の1から10分の1程度まで減らせるので、坑内での起泡剤の運搬回数も抑えられ、掘進作業効率が約5%向上する。
従来品に比べ、気泡生成直後の粘性は2倍以上、自然消泡率は2分の1以下。掘削土砂の流動性を保持するので、掘削に伴うシールドマシンへの負担が少なく、掘削土砂を後方へ送り出すスクリューコンベアが土砂によって閉塞したり、滞留したりするのを防止できる。
主成分には、環境への負荷が小さい界面活性剤を使用しており、高発泡性能・低環境負荷型の起泡剤として長距離・大断面トンネル工事を中心に、さまざまなシールド工事への活用が期待される。
(画像はプレスリリースより)
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株式会社大林組、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社のプレスリリース
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