中外炉工業は5月9日、インドで鉄鋼用加熱炉にリージェネレーティブバーナ技術を導入するための、実証事業を開始すると発表した。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下NEDO)の「国際エネルギー消費効率化等技術・システム実証事業」において、「インド高性能工業炉実証事業 実証前調査」を委託して行うもの。
実証事の業開始に当たり、4月28日にNEDOとインド財務省経済局、鉄鋼省、インドの国営鉄鋼メーカSAIL社の4者にて、基本協定書を締結した。
今回、検証が行われる「リージェネレーティブバーナ」は、1990年代に日本の工業炉・バーナメーカと加熱炉ユーザが共同開発した蓄熱バーナである。
蓄熱体を内蔵した2台1組のバーナを設置し、一方のバーナが燃焼している間に、他方のバーナが排ガスを吸引し、蓄熱体を介して排ガスを放出する。この際に蓄熱体は、排ガス顕熱により蓄熱される仕組みだ。
日本では既に数多くの工業炉に適用されており、中外炉工業でもこれまでに、国内外で2,100組以上を納入してきた。
今後はSAIL社のラウルケラ製鉄所で操業している既設厚板加熱炉に「リージェネレーティブバーナ」を設置するための設計・製作、現地工事を行い、省エネルギー効果の測定を実施する。
実証効果として、年間100万トンの厚板生産時に重油換算で年間210万リットルのエネルギー使用量削減と、年間6,000トンのCO2排出削減を見込んでいる。
また、実証作業を行うラウルケラ製鉄所をショールームとして活用し、インド製鉄業に向けて「リージェネレーティブバーナ」の拡販活動も進めていく。
(画像はプレスリリースより)
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中外炉工業株式会社のプレスリリース
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