大成建設は、5月11日、丸和技研と共同で、シールドトンネル工事で使用するカッタビットを、礫層地盤においても交換せずに連続切削を可能とする、長寿命型カッタビット「多層チップビット」を開発したことを発表した。
なお、両社は、2013年からこの開発を進め、これまでに2件の試験施工を実施し、有効性を確認。その後、「香西第1雨水幹線工事(1工区)」、「望月寒川広域河川改修工事(放水路トンネル)」に適用したという。
長寿命型カッタビット「多層チップビット」は、従来方法のように、カッタビット交換のために必要な中間立て坑の構築費用や交換作業が不要であることから、工期短縮、コスト削減につなげることができる。
また、玉石・礫混じりの礫層地盤を切削し続けて、1層目の超硬チップに割れや欠けなどの損傷が生じても、その後、内側から2層目の超硬チップが出現することで、引き続き地盤の切削が可能だ。
さらに、2層目の超硬チップは、出現するまで健全な状態を維持。カッタビットを長期間交換することなく、効率よく切削し続けることができるという。
近年のシールドトンネル工事では、地盤内の玉石や礫との接触により、カッタビット先端部が損傷し、切削能力低下という悪循環を引き起こしていた。
両社は、今回の試験施工や2件の実績を踏まえ、今後この「多層チップビット」技術のさらなる普及、展開に努める方針だ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
大成建設 プレスリリース
http://www.taisei.co.jp/about_us/release/2016/
丸和技研 ホームページ
http://www.maruwagiken.co.jp/index.html