騒音を共鳴させて吸音
鉄建建設は4月21日、共鳴器型消音器を使ってトンネル工事の低周波騒音を低減する技術を開発したと発表した。
この技術によって、防音扉などこれまでの方法では低減が難しかった低周波域の騒音を、効果的に抑えられるようになる。
また、共鳴器型消音器はトンネル断面内に筒状に設置するため、防音扉の開閉などトンネル内部での作業性を損なうことがないのも特徴だ。
トンネル工事現場に適用するために、縮尺1/20の模型実験を行って共鳴器型消音器の性能を検証したところ、低周波騒音を約10デシベル以上低減することができた。
今後は実用化に向けた検証を本格化
模型実験は千葉県成田市にある、鉄建建設の建設技術総合センターにて行われた。簡易無響室内のトンネル模型の切羽部分に、音源スピーカを設置して騒音を発生させ、消音器設置時の音圧レベルを騒音計によって計測した。
実験の結果、トンネル内に共鳴器型消音器を設置した場合、共鳴周波による吸音効果により、低周波の騒音が約10デシベル抑えられた。また、消音器に設ける孔の開口率や、消音器背後の空洞容積を変えると、周波数域を調整できることも確認したという。
今後は実用化に向けてさらなる検証を進め、より効果的な吸音効果が得られる消音器を開発する方針だ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
鉄建建設株式会社のプレスリリース
http://www.tekken.co.jp/cms.pdf