地下水対策を短時間で効果的に選定
大成建設株式会社は、湧水対策計画ツール「T-WELL_PLANNER」を開発した。これにより地下水の発生が予測されるトンネル工事において、最適な対策を短時間で選定し、より効果的な対策が可能になるという。
解析作業を大幅に削減
山岳トンネル工事を安全かつ計画通りに進めるには、湧水の発生する位置や量を的確に把握し、対策することが重要。しかし、地表からの事前調査は、困難なケースも多い。
そのため、施工中のトンネル内から探査ボーリングを行い、前方の湧水発生箇所を調べ、対策を計画するのが一般的だ。しかし、対策パターンの設定、解析の前処理や、効果の予測解析などにかかる時間が膨大で工期遅れの要因にもなった。
同社は、パターンの設定から予測解析後の結果表示までのデータ処理を自動化し、得られた結果から、短時間で、最も安全で工費・工程に配慮した効果的な対策を導き出せるようにツール化した。
解析プログラムには、地下水の流れとボーリング孔内の流れを連成解析する手法「T-WELL_FLO」を採用。予測が難しい水抜きボーリングの排水効果を定量的に評価する。また、並列計算により、解析にかかる時間も大幅に短縮した。
実際に大量の湧水が発生した既往トンネルの事例において、遭遇した湧水帯を対象に同計画ツールを適用し、工事費・工期を含めた最適な対策を選定した。
その結果、従来は1件あたり5日程度を要する一連の解析作業が、同計画ツールでは、半日程度で完了し、検討期間を約1/10に短縮できることを確認した。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
大成建設株式会社 プレスリリース
http://www.taisei.co.jp/