信州大学、脱塩性能の高いナノカーボンRO膜を開発

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信州大学、脱塩性能の高いナノカーボンRO膜を開発

2016年04月12日 23:00

最大96%の脱塩に成功

信州大学は4月8日、科学技術振興機構(JST)が推進する公募型研究開発プログラムにおいて、ナノ構造制御カーボンの水分離膜技術を開発し、最大96%の脱塩に成功したと発表した。

世界的な水不足に対応するための取り組みで、革新的な造水・水循環システムの構築を目指す研究において得られた成果だという。

研究プロジェクトチームは水不足の解消に有効な水源(すいげん)として、「海水」、「随伴水」、「かん水」に注目したが、これらには塩分が含まれている。脱塩のために開発に取り組んだが、従来のポリアミドに替わるナノカーボンを使った逆浸透(RO)膜の作成だ。

DLC膜より柔らかい、ナノカーボン膜

今回新たに開発したのは、従来のDiamond-Like Carbon(DLC)膜より柔らかい、炭素ベースの水分離膜。

ナノカーボン(DLC)膜はダイヤモンド構造と、炭素構造がハイブリッド化したもので、ハードディスクの表面や工具類、ペットボトルなどのコーティング材などに使われている。

信州大学の研究プロジェクトチームは、従来のDLC膜のナノ構造を、水分離膜に最適な構造に制御し、高度な水処理に使用できるナノカーボン製の水分離膜を開発した。

信州大学ではこの研究成果が、石油やシェールガスなど非在来型の

資源開発など厳しい条件下での水処理膜の実用化が期待できます
(プレスリリースより)

と述べている。

また研究成果は、英科学誌Nature系の専門誌「NPG Asia Materials」に、4月1日づけで掲載された。この論文に関する特許も申請済みだ。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

 

信州大学 アクア・イノベーション拠点、科学技術振興機構(JST)のプレスリリース
http://www.jst.go.jp/pr.html

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