三井住友建設は3月29日、石油製品備蓄タンクにおける備蓄中の雨水浸入を防ぐ、アルミニウム合金製「ウルトラドーム」を、JXエネルギー大分製油所内の浮き屋根式危険物タンクに設置したと発表した。
ウルトラドームは、三角形状の骨組による立体フレームと、そのフレームを覆うパネルで構成される半球形の構造物。この骨組とパネルに軽量かつ耐候性に優れたアルミニウム合金製を用いたことで、ライフサイクルコストを削減するとともにタンク本体や基礎への負担を低減することにも合わせて成功している。
施工が容易かつ短期間で行える、ボルト接合による組み立て方式を採用しているのもポイントだ。
三井住友建設は1999年、当時国内初となるアルミニウム合金製ウルトラドームの建設を担当。これまでに計62基のアルミニウム合金製屋根の建設を手掛けてきた。
このたび2015年9月~2016年2月にかけて設置工事が行われたJXエネルギー大分製油所内のウルトラドームは直径69mで、三井住友建設によるとこれは60mを超える大型危険物タンクへの適用実績としては4基目、かつ国内最大径となるもの。また危険物タンク以外としても国内最大径となるケースであるという。
今回浮き屋根式のタンクにウルトラドームを設置したことで、雨水浸入による水の混入で貯蔵物に悪影響が出るのを防げるほか、塩類・酸性雨・腐食促進物質なども浸入しなくなることで鋼材の腐食や劣化を低減。
また天候条件による浮き屋根の揺動を防止できたり、紫外線を遮ることで塗装の耐久性が向上したりといったメリットが期待される。
三井住友建設では今後も、浮き屋根式タンクにおける屋根構造物としてのウルトラドームを、貯蔵製品の品質保全やタンク本体のライフサイクル延長につながるものとして、これまでの施工実績を生かした積極的な提案を進めていく方針だ。
(画像はニュースリリースより)
▼外部リンク
三井住友建設 ニュースリリース
http://www.smcon.co.jp/2016/032917097/