文部科学省は18日より、「学校施設の非構造部材の耐震対策先導的開発事業」の公募受付を開始した。
この「学校施設の非構造部材の耐震対策先導的開発事業」は、建築士等など専門家を含めた体制のもと学校施設における非構造部材の詳細な点検を実施し、対策手法の検討や技術的な留意点等について整理。この結果を全国に発信して、非構造部材に関する耐震対策の促進をはかるものだ。
この背景には、2011年に発生した東日本大震災を受けて各地の学校施設で非構造部材の耐震対策が進みつつあるものの、屋内運動場等の天井等一部を除く非構造部材では耐震対策に関する知見が少なく、また種類・工法が多様なため進捗に遅れがみられているという現状がある。
「学校施設の非構造部材の耐震対策先導的開発事業」において、事業主体は有識者や専門家等を含む点検・対策検討チームを結成したのち、まず学校施設の非構造部材の耐震対策にかかわる検討等を行う。
続いて、落下防止対策がなされていない特定天井や折れ曲がり天井など特殊な形状をした天井など、設定された計8つの非構造部材の中から任意の部材に対する詳細な耐震点検を実施。この結果に地域と施設の特性等を総合的に加味し、対策手法の検討とそれにともなう設計・積算を行うことが求められている。
また、事業報告ならびに関係機関との調整・意見交換を目的とした研修会や連絡会の開催、地域・学校等の実情に応じた先導的開発のための取り組みも任意での実施事項となる。
「学校施設の非構造部材の耐震対策先導的開発事業」の委託対象となるのは、都道府県や市区町村教育委員会、国立大学法人など地方公共団体、ならびにこれらと連携する法人格の団体等。企画提案書の提出期限は、4月28日(木)12時(必着)だ。
なお文部科学省では同事業の総予算額を2500万円程度とし、この範囲内で5~10件を採択する予定であるとしている。
▼外部リンク
文部科学省 公募情報
http://www.mext.go.jp/b_menu/boshu/detail/1368286.htm