前田建設工業 大断面山岳トンネルNATM工法で月進掘削記録を更新

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前田建設工業 大断面山岳トンネルNATM工法で月進掘削記録を更新

2016年03月20日 01:45

トンネル工事高速化と品質向上の取り組み

前田建設工業株式会社は、国土交通省・東北地方整備局より受注した「国道45号新鍬台トンネル工事」において、施工の高速化と長期耐久性の両立を目指し、NATM工法で施工を進めている。

1月16日からの月間トンネル掘削距離は、232.5メートルを記録。これは国内における掘削断面110平方メートルを超える大断面山岳トンネルでは、国内最高記録となる。

同社は、同国道をはじめとする国内交通網のより速い施工、より永い耐久性実現のために、今後も安全を最優先に、高速施工技術と品質向上技術の体系化、標準化への取り組みを続けていくという。

トンネル工事の概要

三陸沿岸道路を構成する「吉浜釜石道路」は、東日本大震災からの復興プロジェクトとして、早期の開通を目指している。

大船渡市と釜石市を結ぶ新鍬台トンネルの延長は三陸沿岸道路で最長の3,330メートル、現国道45号の鍬台トンネルに比べ、標高が70メートル低く、車道、路肩等の幅員、トンネル前後の勾配が改良され、走行性、安全性の向上が期待されている。

また、緊急輸送道路の確保による救急搬送の迅速化が図られ、地域医療にも大きく貢献。

三陸沿岸地域に点在する観光資源を結ぶルートの形成や、港湾との連携による物流の効率化、被災地の産業振興など、道路整備の波及効果にも期待が集まる。

高速施工を支える様々な技術

今回、高速施工を実現するために、せん孔、発破、坑内換気、ずり出し、吹き付けコンクリート、ロックボルトの各工程における効率化が課題。

同工事では、金子組をはじめとした協力会社と共同で、速度向上のための技術や工夫を適用し、この課題をクリアした。

具体的には、コンピューター制御の新型ジャンボによるせん孔速度アップ、バルーンによる発破退避時間の短縮と換気効率アップ、電子雷管等による発破効率と施工速度アップ、複数の吹付機による吹付速度アップ、大型ホイルローダを駆使し、ずり出し速度アップ、前方地質探査技術を駆使した適正な支保パターン選定などだ。

長期耐久性を支える技術

同社は、品質の確保・向上の観点として、トンネルの長期耐久性を向上させるために次の6つの技術を適用した。

覆工コンクリートの品質を施工面で向上できる「覆工マルチ工法」、各バイブレーターの高品質覆工締固めシステム、水平打設工法を用いた充填状況の可視化、覆工背面の空隙発生防止と覆工コンクリートの密度アップ、フリードームによるトンネル全延長の養生などだ。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

 

前田建設工業株式会社 プレスリリース
http://www.maeda.co.jp/

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