竹中工務店は3月8日、データセンターの空調システム「リアドアVCS」を開発し、特許の出願を行ったと発表した。
新たに開発されたのは、サーバラック背面で冷却する「リアドア空調方式」と、「冷媒自然循環方式」を組み合わせたシステム。冷却媒体に水を使わないにもかかわらず、優れた省エネ効果が得られるのが特徴だ。
ラックごとに冷却する方式を採用し、サーバ室全体を空調する方式と比べて、消費エネルギーの16%の削減を実現した。
IoT時代の重要なインフラとして、データセンターの需要がますます高まっている。データセンターではサーバが消費する電力に加え、サーバの冷却装置を動かす電力、センター全体を運用するための電力など、多くのエネルギーを消費する。
特に部屋単位で冷却を行う従来型の空調システムでは、消費エネルギーの約半分がサーバ冷却に費やされているため、省エネの実現に向けて冷却電力の削減が求められきた。
今回の開発ではサーバ冷却の電力消費を抑えるために、部屋全体を冷却するのではなく、ラックごとに熱交換を行ってサーバを冷却する「リアドア空調方式」に着目した。
しかし従来の「リアドア空調方式」は高い省エネ効果が得られる反面、冷却媒体に水を使うことから漏水リスクが高く、採用が見送られるケースが多かった。
そこで開発されたのが、冷却冷媒にエアコンなどで使われる冷媒ガスを採用した「リアドアVCS」である。
「リアドア空調方式」に独自開発の「冷媒自然循環方式」を組み合わせることで、水を使わずに高効率な熱交換を実現するとともに、低コストでの導入を可能にした。
個別ラックごとに冷却するため、新築やリニューアル時にもフレキシブルに対応し、ユーザーニーズに応じた空調システムが構築できるのもメリットだ。
(画像はプレスリリースより)
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株式会社竹中工務店のプレスリリース
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