ロボットで上向き溶接する工法を開発
株式会社大林組は2月15日、「現場上向きロボット溶接工法」を開発したと発表した。
鉄骨造建物の柱梁接合部を施工する方法としては、「現場溶接型」と「工場溶接型」がある。
「現場溶接型」は柱に対して梁のウェブを高力ボルトで接合し、フランジを工事現場で溶接するというものであり、「工場溶接型」は柱に梁の一部(ブラケット)を鉄骨加工工場で溶接し、工事現場ではブラケットと梁をボルトで接合して組み立てるというものだ。
現場上向きロボット溶接工法
現場溶接型は工場溶接型と比較してコストを抑ることができるというメリットがある。しかし下フランジを下向きに溶接する場合には、フランジとウェブの交差部にスカラップを設けなければいけない。そのため地震が発生した場合には、亀裂が発生しやすいことが課題であった。
今回、ロボットで上向き溶接することによって、現場溶接型の構造上の弱点であるスカラップをなくし耐震性を高めていき、施工省力化を実現することができる「現場上向きロボット溶接工法」を開発した。
特長としては、これまでの現場溶接型とほぼ同じ材料・製作費、保管・輸送費で製作することができるため、低コストのまま、工場溶接型と一緒で従来の現場溶接型と比べ約2倍の耐震性を実現することができる。
これまで必要であったスカラップを設けずに現場溶接することができ、地震時の亀裂の発生を抑制することが可能だ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
株式会社大林組 プレスリリース
http://www.obayashi.co.jp/press/news20160208_01