今月初め、愛知県は中部国際空港隣接地に大規模展示場の建設計画を発表した。施設規模は、約6万平方キロメートルで、当初の予定として展示場6ホールと会議室、駐車場を備えている。今後の展示会需要の動向によっては、約2~4万平方キロメートル程度の拡張用地に展示場の拡張と宿泊施設等の建設も視野に入れている。
所在地は、空港島(常滑市)。アクセスは中部国際空港駅直結で、香港やシンガポール・パリといった空港に直結した展示場と同等の距離感で海外からの来場者数にも期待が持てる。開業は2019年秋期を予定。
国内の大規模展示場として、東京ビッグサイト、幕張メッセ、インテックス大阪などがある。その中で愛知県は、中小を含む大変裾野の広い自動車産業で、日本の産業を牽引してきた県ではあるが、同県内のポートメッセ名古屋は、東京や大阪の展示場と比較するとハードやソフト面でも劣勢となっている。
さらに海外に目を向けると、総展示場面積では欧州が最大ではあるが、アジアでも中国や韓国がそれに迫る勢いで大規模展示場の新設・拡張をしている。それに対し、日本の展示会開催件数には、大幅な増減がない。
そこで今回の展示場計画は、空港直結という交通の利便性を活かし、また大規模な展示会にも対応できる施設として、その役割は大きい。
同県では、FCV(燃料電池自動車)の普及、MRJ(日本製旅客機)の開発生産、リニア中央新幹線の開業準備などを推進しており、さらに、ラグビーワールドカップ2019の開催支援、2020年東京オリンピック・パラリンピックの競技招致及び合宿誘致など、国際的なイベントにも積極的に取り組んでいる。
2020年東京オリンピック・パラリンピック開催により、東京の展示会場がメディアセンターや競技会場等として一定期間閉鎖された場合、日本展示会協会は、展示会の中止による社会経済への影響を懸念しており、その観点からも、この展示場の建設計画は早期実現が待たれる。
その為、建物仕様は必要最低限のものとし、整備費は倉庫レベルの水準を目指すとともに、発注方式に関しても整備費を縮減できる方策を引き続き検討中。同県は、この経済波及効果を概算で年間約1500億円としている。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
愛知県 プレスリリース
http://www.pref.aichi.jp/uploaded/life/116217_61106_misc.pdf