新宿野村ビルに日本初の制振装置「デュアル TMD-NT」

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新宿野村ビルに日本初の制振装置「デュアル TMD-NT」

2016年02月11日 01:00

長周期地震動シミュレーションで、制振効果を実証

野村不動産株式会社、野村不動産マスターファンド投資法人、株式会社竹中工務店の三社は、「新宿野村ビル」の長周期地震動対策として日本初の制振装置「デュアル TMD-NT」を、2016年9月の完工に向け設置中だ。

昨年11月に実施した性能確認試験では、東日本大震災・南海トラフ地震と同等レベルの長周期地震動を想定。

設置前と比較して、揺れ幅が約20から25%低減、揺れ時間が約50%短縮し、同装置が長周期地震動を含む大地震による揺れを抑制できることを確認した。

今後、同装置の設置と合わせて、ビルの安全性を判断する「建物被災度判定システム」と、地震時に同装置が正常に機能しているか確認できる「モニタリングシステム」の2種類の防災システムを導入し、長周期地震動を含む大地震時の対策を一層強化する予定だ。

「デュアル TMD-NT」の概要

TMD(Tuned Mass Damper)とは、建物の揺れと逆方向に動くおもりを用いて、建物の揺れを抑制する装置。今回採用した「デュアル TMD-NT」は、建物最上部(52階、53階部分)内にTMDを2基設置。

1基のおもりを2段積層ゴムとリニアスライダーで支持し、建物の揺れ幅が小さいときは積層ゴムが、揺れ幅が大きいときはリニアスライダーがおもりを支持するスライド式の機構で、その揺れをオイルダンパーで減衰する仕組みだ。

このような装置を長周期地震動における揺れ軽減対策として、改修に使用するのは日本初であり、野村不動産・竹中工務店の2社共同で特許出願済みだという。

性能確認試験の概要

千葉県習志野市にある竹中工務店の東日本機材センターに、「新宿野村ビル」に設置する同装置の実物を製作。大地震で想定される大きな揺れ幅まで、TMDのおもりを様々な方向から振動させる性能確認を実施した。

主要な確認項目は、強風時に想定される小さな揺れから大地震時に想定される大きな揺れに至るまで、おもりがスムーズに動作すること。おもりの揺れる周期が設計通りであること。オイルダンパーの減衰力が設計通りであること等。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

 

野村不動産株式会社 プレスリリース
http://www.nomura-re.co.jp/

竹中工務店 プレスリリース
http://www.takenaka.co.jp/

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