住民の合意にかかる基準を緩和
政府は5日の閣議にて、マンションや団地で建て替えを実施する際必要な住民の合意について、全世帯の3分の2の合意で可とする改正案を決定した。全世帯の合意が必要だった従来案から、基準の緩和がはかられたかたちとなる。
老朽化進む住宅団地の再開発を促す
高度経済成長期に多く建設されたマンションや団地等住宅団地に関しては、老朽化や耐震基準の面で課題が浮上しているのが現状だ。
こうしたなか、改正案ではこれら住宅団地を再生し、各地域の拠点へつくりかえることを目標に設定。住宅団地の建て替えを伴う再開発事業に関し、自治体の承認を経てこれを行う場合、当該の住宅団地の全世帯中3分の2が合意すれば事業の推進を可能とした。
一方、再開発以外を目的とした建て替えは全世帯の5分の4の合意が必要であり、改正案においてもこの点は据え置きとなる。
成立すれば都市の再生や地方創生にも寄与
改正案ではこのほかにも、都市の国際競争力や防災機能の強化を念頭に、民間都市再生事業計画の認定申請期限の延長や認定処理期間の短縮、民間都市開発事業に対する金融支援の範囲拡大を策定。
さらに市街地再開発事業の施行要件見直しをはじめとする、コンパクトで賑わいのあるまちづくりへ向けた施策も盛り込んだ。
政府では今後、改正案を国会に提出し成立させることで、国内の都市圏を中心とした環境整備やまちづくりの課題を解決することにつなげ、都市の再生や地方創生の加速を促したい考えだ。
▼外部リンク
国土交通省 報道発表資料
http://www.mlit.go.jp/report/press/