竹中工務店は2月4日、作業現場内の高所作業車や作業所員の位置を即座に把握するシステムを開発し、イオンモール堺鉄砲町作業所で試験的に運用したと発表した。
安価で手軽な近距離即位システム「iBeacon」を用いた発信機を建設機械に取り付け、作業所員の携帯端末から約10メートル以内に近づくと、携帯端末に位置情報が自動送信されるシステム。
送信された位置情報は、携帯端末に保存されている作業所内平面図に表示され、作業所員が常に建設機械の最新の位置情報を把握できるのが特徴だ。また、携帯端末を持っている作業所員同士の位置情報もリアルタイムにわかるので、お互いに探し合う手間がなくなる。
建設工事では、高所作業車などの機械が欠かせない。大規模作業所では同時に数百台の高所作業車を使用することも多い。通常は各作業車の使用者が各自で管理を行うが、広大な作業所で必要な作業車の位置を確認するのは、労力がかかるという問題があった。
しかし今回開発されたシステムを適用したイオンモール堺鉄砲町作業所では、作業所員29人全員の携帯端末にシステムを導入した結果、従来では毎日30分の探索時間を要していたが、探索時間はほぼゼロになり、半年で約72時間の作業時間を節約できた。
これまでの位置認識技術では、屋外でしか使用できないものや、設置費用が高価なものが多く、建設工事の作業所での実現が難しかった。
しかし新たなシステムは安価なiBeaconを採用することで、屋内対応・コスト・設置労力といった建設工事現場への導入課題を解決すると同時に、5~10メートルの精度で、位置情報が確認できた。
(画像はニュースリリースより)
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株式会社竹中工務店のニュースリリース
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