大都市圏での地下開削工事に貢献
大林組は20日、大都市圏での開削工事で生じる場合が多いヒ素を含む土丹(どたん)塊について、破砕・粉砕して泥水化したのち浄化する工法を開発したと発表した。
処理効率アップに加え、コスト削減も実現
首都圏をはじめ大都市圏で大深度の地下を開削する場合、硬質粘土層を含む地層からは土丹塊が、ヒ素を含むかたちで生じる場合がある。これらヒ素を含む土丹塊は人や環境への影響を鑑み処分することが求められているが、その費用や方法には課題が多く残されていた。
大林組は2013年、汚染泥水に鉄粉を混ぜ、ヒ素を吸着させて取り除くことで浄化する工法を開発。今回の工法ではこれを発展させ、従来その固さゆえ水を加えても泥水化できなかった土丹塊を、まず2段階のプロセスで順次破砕。内部に含まれるヒ素を洗浄水へしっかりと溶出させ、ヒ素を吸着する特殊鉄粉を用いて浄化を行う仕組みとなっている。
今回の工法ではヒ素の除去における確実さを高めたほか、攪伴方法の改善や装置の増強を実施したことで、汚染土が大量の場合でも効率の良い処理が可能だ。また処理後は土壌溶出量基準値以下の「汚泥」として処分できるため、仮に対象土量を5万立方メートルとした場合、かかる費用は15%の削減が可能となった。
(画像はプレスリリースより)
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