トンネル工事における急曲部への対応
大林組は12日、トンネル工事における連続ベルトコンベヤーの導入を容易とする、低空頭ベルト捻転装置を開発したと発表した。
近年の長距離トンネル工事において切削の都合上設けられることの多い斜坑は、本坑との接続に際し、その接続部が急激に角度の変化する急曲部となる。
しかし掘削土の搬出に用いられる従来の連続ベルトコンベヤーは急曲部への対応力に乏しく、代替としてダンプトラックでの搬出等を行った場合、作業時間にかかる制約や坑内環境の悪化がネックとなっていた。
捻転角度の工夫で省スペース化を実現
大林組では今回これら課題の解消に取りくむべく、連続ベルトコンベヤーのベルト捻転装置に着目した。具体的には捻転角度を従来の90度から45度へ変更することで、約15%の低空頭化、さらにはプーリー数の削減による省スペース化に成功。拡幅工事を行わなくても、急曲部のある坑内へ連続ベルトコンベヤーを設置することが可能となった。
結果として、斜坑と本坑内を連続ベルトコンベヤーで結んでの土砂搬出が実現し、掘削作業の効率化に寄与。また組み立て・解体が容易なほか、ベルト延伸設備を坑外に集約させられることから、坑内での揚重作業削減による労務の削減、さらには工期の短縮も期待できる。
加えて連続ベルトコンベヤーの利用できる現場が増加することで、ダンプトラックでの搬出等、代替手段における課題であった坑内の作業環境・安全性についても改善が見込まれる。
大林組は今回開発した低空頭ベルト捻転装置について、今後積極的にトンネル工事の現場へ投入し、生産性と安全性の向上へつなげていきたいとしている。
(画像はプレスリリースより)
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