大成建設とは1月8日、製品評価技術基盤機構(NITE)と共同で、単離した完全脱塩素細菌を用いた浄化技術を開発したと発表した。
汚染された地下水を従来の半分以下の期間で浄化する技術で、塩素化エチレン類を
無害なエチレンに浄化する嫌気性脱塩素細菌、「デハロコッコイデス属細菌 UCH007株」の単離に成功。
塩素化エチレン類浄化菌を用いる土壌・地下水の浄化事業計画において、経済産業省と環境省が策定した「微生物によるバイオレメディエーション利用指針」の適合確認を受けた。
土壌汚染対策法が規定する第1種特定有害物質による地下水汚染の8割が、塩素化エチレン類によるものである。塩素化エチレン類による汚染は広範囲に及ぶケースが多く、低コストで環境負荷の少ない微生物を使った浄化方法を採用するのが一般的だ。
微生物による浄化方法には汚染サイトに生息する微生物を活性化させる方法と、汚染サイトに菌を人為的に導入して汚染物質を分解する方法があり、近年では短期間で浄化できる後者へのニーズが増えている。
塩素化エチレン類を浄化できる嫌気性細菌はデハロコッコイデス属細菌だけだが、この細菌を人為的に早期に増殖させることは困難といわれており、これまで国内での成功事例は見られなかった。
今回開発された技術では「デハロコッコイデス属細菌UCH007株」の単離を、国内で初めて成功させた。単離された浄化菌を用いると、塩素化エチレン類汚染地下水の浄化に要する時間が、これまでの半分以下に短縮できる。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
大成建設株式会社のプレスリリース
http://www.taisei.co.jp/about_us/release.html