大和ハウスグループ傘下のフジタは21日、シールド工事においてセグメントの異常な変位の早期是正を可能とする、「小口径シールド真円度計測システム」を開発したと発表した。
フジタによれば、シールド工事の際は複数のセグメントを円筒状に組み合わせることでトンネルを構築するものの、急曲線施工などの場合セグメントの真円精度によってはその継手に目開きや目違いが発生、損傷や漏水の原因をもたらすケースがあるという。
一次覆工の出来不出来を左右するこのセグメント真円精度に関し、測定における利便性を高めたのが、同社の「小口径シールド真円度計測システム」だ。
同システムでは、シールドマシン内の対角となる2か所に回転式レーザー距離計と制御装置を設置。計測装置と制御部を分けた小型の設計とすることで、直径2メートル程度の小口径なシールドマシン内においても設置が可能だ。
また、シールド掘進と並行しての計測を実現したことで、随時変位するセグメント真円度の推移を読み取り、セグメント組立管理へ速やかに反映させることが出来る。こうした特徴により、従来の課題であった精度の維持、また連続的な計測の自動化が困難であるといった点の改善に成功した。
フジタではこの「小口径シールド真円度計測システム」について、まずは千葉県市川市の松戸幹線作業所に導入し、有効性を確認。今後は適用事例を増やすべく小口径トンネルのシールド工事における普及を推進し、そこで得られた経験をもとに、システムの更なる小型化に取り組む構えだ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
フジタ プレスリリース
http://www.fujita.co.jp/information/2015/post_345.html