安藤ハザマは15日、泥土圧シールド機による掘進実験を実施したと発表した。これは新型せん断力計によりチャンバー内掘削土の塑性流動状態を判定し、シールドチャンバーの“可視化”を目指したものだ。
同社では泥土圧シールドにおいて、掘削地盤の土圧の大きさや土砂の性状、硬軟によりカッター回転の抵抗力が異なること、そしてその抵抗の測定値が掘削土砂の性状を判断する指標となり得ることに着目した。
実験においては、カッターなどいくつかの箇所に土圧計とせん断力計を設置。うちせん断力計については同社が新たに開発し、特許を出願しているものとなる。加えて、対象土質や添加材をはじめ、チャンバー内での撹拌方法、カッター回転速度、掘進速度などをパラメーターとして考慮した。
そのうえでチャンバー内での圧力やせん断力を測定し、その大小や変動からチャンバー内の土砂の性状を評価する方法を、実際のシールド機による掘進実験を通じて考案・実証。結果として、せん断力の大小を判断基準とし、塑性流動性の良否などが判断可能であることが示されたという。
現在泥土圧シールドはシールド工法による工事の約4分の3を占めているものの、その過程において掘削した土砂を塑性流動化(泥土化)するチャンバー内部の状態を直接確認することが難しいため、この塑性流動化をどのように確認するかが課題として浮上していた。
今回実験を行ったシールドチャンバーの“可視化”が実用化されれば、掘削した土砂の塑性流動化を確認する新たな方法が開けることとなる。
安藤ハザマでは今後、実際の工事における管理手法の確立に努めるとともに、新たなチャンバーの最適設計や土砂を塑性流動化させる添加材の開発、さらにはシールドマシン前端でカッターを回転させるのに必要なカッタートルクの低減などに向け、展開を進めていく方針だ。
(画像は安藤ハザマWebサイトより)
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