ポリウレタン樹脂の硬化の課題を解決
大林組は12月9日、コンクリートのひび割れ部からの漏水を遮断する止水工法「ミクストグラウト」を、MASUDAと共同で開発したと発表した。
近年、既存施設のリニューアル工事などで地下構造物をリユースするケースが増えている。このときに問題になるのが、地下水位の上昇などで地下構造物にひびが入り、漏水が起こっている箇所への対応だ。
これまでの工事ではコンクリートのひび割れ部に、ポリウレタン樹脂系の薬液を注入するのが一般的だ。しかし、注入部分の乾湿状態によって薬液が硬化しにくかったり、硬化しても収縮したりすることから、思うような止水効果が得られないという課題があった。
2液を混合し無収縮での硬化を実現
新たに開発された止水工法「ミクストグラウト」は、ポリウレタン樹脂と特殊水性エマルションの薬液を混合する、2液混合型の注入止水工法である。ポリウレタン樹脂が特殊水性エマルションの水分に反応して短時間で硬化する。
さらに、従来工法では硬化後の伸縮が約30%みられるが、新工法では約5%にとどまっており、寸法安定性に優れるのも特徴だ。
新工法は大林組の工事現場で既に適用されており、「ポリウレタン樹脂の速硬性」と「水性エマルションの寸法安定性」の2つの効果で確実に止水できることが、実証されたとのことだ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
株式会社大林組のプレスリリース
http://www.obayashi.co.jp/press/20151210_1