逆流洗浄に特色を持つ浄水場向け装置
日立造船は2日、自己洗浄型の除鉄・除マンガン圧力式急速ろ過装置である「AQSEV(R)・サンドフィルター」を開発したと発表した。
これは鉄やマンガン等を除去する浄水場向けの装置で、浄切替弁によってろ過時は全ろ過室でろ過し、洗浄時はろ過室でのろ過を1室ごとに実施。こうして生じたろ過水を、洗浄水として用いる逆流洗浄が可能となっている。
同社によれば、こうした逆流洗浄を行える装置としては、今回の同装置が日本初のケースになるとのことだ。
省スペースとコスト削減、安心・安全さの向上を実現
日立造船によると、現在鉄やマンガンを除去する上で一般的な方式は、浄水過程に含まれるろ過池で原水をマンガン砂でろ過する「急速ろ過方式」。これはさらに、ろ過層の開放に関して「重力式」「圧力式」の2タイプに分類される。
しかしながらこの2タイプいずれにおいても、ろ材の洗浄に用いる洗浄ポンプや洗浄用水槽が必須であり、それに応じて生じる複雑な配管系統、さらには設置スペースの大きさが課題に上っていたという。
今回日立造船が開発した「AQSEV(R)・サンドフィルター」は、圧力式のろ過室を複数の均一なろ過室に分割。その逆流洗浄の過程と相まって、従来必要とされていた洗浄ポンプや洗浄水槽を不要なものとした。
また、同装置は全自動での運転機能に加え、同社による遠隔監視機能を搭載。結果として、設置先におけるスペース・コストの削減、ならびに安全・安心さを高めた浄水処理の提供が可能になっているとのことだ。
(画像は日立造船のWebページより)
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日立造船 新着情報
http://www.hitachizosen.co.jp/news/2015/12/001930.html