熊谷組 インフラ更新市場向けコッター床版工法に期待

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熊谷組 インフラ更新市場向けコッター床版工法に期待

2015年11月23日 01:00

急速施工を可能とする橋梁床版工法

株式会社熊谷組は他社と共同で、「コッター式継手を用いた道路橋プレキャストPC床版(コッター床版工法)」による、老朽化した橋梁の床版を架け替える工法を開発中だ。

現在、平成35年には全国約70万橋のうち4割以上の橋梁が、建設後50年を経過し老朽化が進むと見込まれている。

特に橋梁の床版は、想定以上の交通量の増加や過積載車両の通行により疲労損傷が著しく、道路管理者は適切な修繕や更新を迫られている。

しかし、橋梁の架け替え工事には交通規制や、う回路の設置が必要で、工事による影響は大きい。そのため利用者の利便性を損なわず工期を短縮できる工法が求められている。

コッター床版工法の利点

供用路線の橋梁床版の架け替え工事では、あらかじめ工場で製作されたプレキャスト版を敷設する急速施工が可能な工法が主流だ。

現在、開発を進める工法は、プレキャスト製品の利点に加えて次の優位性を持つ。

第一に更なる急速施工が可能である。接合部分にコッター式継手を使うことで、従来のループ継手によるプレキャスト床版工法に比べて床版設置時間を約3割短縮することが見込まれる。

コッター式継手は鉄筋工や型枠工は不要で、くさび状のH型金物を床版に埋設されているC型金物に挿入し、固定用ボルトを締めこむことで十分な接合強度を確保できるため時間短縮が可能。

第二に将来、部分的な取り換えが容易である。従来の継手方式では構造上、強度の再現や交換時の作業時間に課題が残る。

「コッター床版」は接合部のH型金物を切断しても、まわりの床版の強度に影響しないため、損傷した箇所の床板のみを交換し、迅速に機能を復旧することが容易で、メンテナンス性や災害時の早期復旧等に優れる。

現在までに静的破壊試験や疲労試験を通じて、ひび割れ抵抗性、耐力・耐疲労性能を確認し、特許を取得。

今後は、輪荷重走行試験機による最終試験を実施し、疲労耐久性を確認し、各種耐久性向上対策と、更なるコストダウンを行う。

また、道路管理者からの要望が高い片側車線ごとの分割施工を可能とする、橋軸直角方向の継手開発に取り組む予定だ。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

 

株式会社熊谷組 プレスリリース
http://www.kumagaigumi.co.jp/

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