湿潤面でも効果を発揮 西松建設ら、トンネル覆工コンクリートのはく落防止工法を新開発

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湿潤面でも効果を発揮 西松建設ら、トンネル覆工コンクリートのはく落防止工法を新開発

2015年11月21日 16:00

従来の工法における欠点を克服

西松建設は17日、アオイ化学工業との共同開発によるトンネル覆工コンクリートのはく落防止工法「ネットキーパー工法(R)TN」を発表した。

この「ネットキーパー工法(R)TN」は、ポリプロピレン繊維を三方向に配列し、接着剤との親和性を高める特殊処理を施した繊維メッシュシートを、低粘度かつ高浸透性のプライマーと接着剤を用いて覆工コンクリート表面に貼り付けるというもの。

西松建設によると、トンネルの補修における従来のはく落防止工法では、施工するコンクリート表面が湿潤状態にある場合補修材料とコンクリートとの一体化が不十分となり、安定した施工が困難となるケースが見られたという。

一方、今回の「ネットキーパー工法(R)TN」はトンネル坑内の温度が5度程度と低い場合でも施工可能であるほか、覆工コンクリートの表面が湿潤状態であっても強固な付着が生じ、コンクリート片のはく落をしっかりと防ぐことができる。その性能については、東・中・西日本高速道路の「小片はく落対策工(無筋区間)の基準」を満足することを確認済みだ。

作業環境等への配慮も良好 近く製品としてリリースへ

加えて「ネットキーパー工法(R)TN」における仕上げ材には耐候性に優れた水性無機系塗料を用い、表面の光沢をなくして照明光の反射を防ぐことで、トンネル坑内における視認性への影響を抑える工夫がなされている。

さらに、坑内での火災を想定した延焼性試験(延焼性・自己消化性)やガス有害性試験の基準を満たしているほか、無溶剤系および水性系の成分の採用など、使用に際しての安全性、ならびに作業環境への配慮も良好だ。

西松建設では今後、「ネットキーパー工法(R)TN」をトンネルを保有する構造物管理者へ向けて提案するとともに、ボックスカルバートや橋梁などの一般構造物での展開も踏まえ、近く製品としてのリリースを行う方針だ。

なお同社の発表によれば、参考価格は材工込みかつ表面処理工を含めないとの条件で、東京の場合1平方メートルあたり約12,000円(税抜)となっている。

(画像は西松建設Webページより)

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西松建設 お知らせ
http://www.nishimatsu.co.jp/news/2015/prel1117.html

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