表彰式は9日に開催
鹿島は13日、日立造船などと共同で開発した「浮体式仮締切工法(ダム再発工事の大幅効率化)」が、「第6回ものづくり日本大賞 内閣総理大臣賞」を受賞したと発表した。
これに伴う表彰式が9日、内閣総理大臣官邸にて執り行われ、安倍内閣総理大臣より鶴田ダム再開発工事の滝口所長に表彰状が手渡された。
既設のダムを運用しつつ行う再開発での「仮締切工」とは
今回受賞した「浮体式仮締切工法」は、鹿児島県で施工中の鶴田ダム再開発工事に初適用されたものだ。既設のダムを運用しつつ行う再開発工事では一般に、ダム堤体の上流部に扉体と呼ばれる鋼製部材を積み重ね、仮締切内から排水していく工法による「仮締切工」が必要となる。
鹿島によると、この場合ダムの湖底に構造物(台座コンクリート)を構築する必要があり、作業環境に関し制約のかかる大水深下での潜水作業が欠かせないものであったという。
潜水作業を削減し、コスト減等でメリット
一方今回鹿島のほか日立造船、国土交通省九州地方整備局、一般財団法人ダム技術センターらが共同で開発した「浮体式仮締切工法」は、この「仮締切工」に関して鋼製の仮締切設備を台座無しで貯水池へ浮かせつつ、並行して一括での設置を行うという世界初の技術だ。この工法では台座コンクリートが不要となるため、従来の潜水による作業を削減することが可能となっている。
鹿島では今回の受賞に際し、こうした「浮体式仮締切工法」によって生まれる大幅なコスト削減と工期の短縮、そして安全確保の実現が高い評価につながったとしている。
▼外部リンク
鹿島 プレスリリース
http://www.kajima.co.jp/news/press/201511/13c1-j.htm