三菱レイヨン株式会社は10月13日、欧州での炭素繊維・複合材料事業の強化・拡大を図るため、SMC(Sheet Molding Compound)中間基材の生産工場を、ドイツ・バイエルン州に新設する計画を発表した。
SMCは繊維強化プラスチック中間基材の一種であり、繊維を樹脂中に分散させたシート状の材料をプレス成形によって部材に加工する工法だ。
欧州自動車市場は車体軽量化の動きが活発になっており、高い強度と軽さを併せ持った炭素繊維強化プラスチックを、高級車だけではなく量産車にも採用するケースが増えている。
三菱レイヨンは自動車用途に適した高性能ラージトウや、外板部品を短時間でプレス成形できる中間基材の速硬化性プリプレグを開発し製品化した。
欧州での事業展開は、Wethje Carbon Composites GmbH及びTK Industries GmbHの買収でCFRP製自動車部品や中間基材の量産拠点を整備する。
今回のSMC生産工場新設は高級車向けのハイエンドソリューションだけではなく、量産車を対象とした低コストで技術的にも利用しやすいソリューションへのニーズに対応するもの。
Wethje Carbon Composites GmbHの工場敷地内に新設備を導入し、2016年9月に稼働開始する予定となっている。
今後はSMC中間基材をラインナップに加えることによって、大手自動車メーカーなどへの提案力を強化し、欧州において炭素繊維・複合材料事業の拡大を目指していく。
▼外部リンク
三菱レイヨン株式会社 ニュースリリース
http://www.mrc.co.jp/press/detail/pdf/