大成建設は6日、騒音の大幅な低減を実現した遮音天井の「T-Silent Ceiling(SM)」を発表した。従来の遮音天井の機構上低減が難しかった、天井材料自身の共振特性によって生じる振動も低減が可能となっているのが特徴だ。
今回同社が着目したのは、無機系粒状体で不燃性の材料である「ゼオライト」。これは一般に吸収性内装材や土壌改良材、ろ過材として用いられるもので、同社ではこの「ゼオライト」を封入した特殊粒状体袋を作成、天井裏に配置して遮音天井とする「T-Silent Ceiling(SM)」を開発した。
「T-Silent Ceiling(SM)」は従来の防振天井と比較した場合、63~250Hz帯域で伝搬する振動エネルギーを70~90%低減することに成功。この63~250Hz帯域は、固体伝搬音(地下鉄の走行音や設備機器の稼働音など)や床衝撃音が一番大きくなる周波数帯域とされている。
またその施工においては、「ゼオライト」を封入した特殊粒状体袋を天井裏全面に敷き詰めるだけで容易に作業が完了。また特殊粒状体袋は金属製の天井下地材にも設置が可能で、これは遮音性能の向上にもつながっている。
さらに大成建設によれば、「T-Silent Ceiling(SM)」の採用はコンクリート床スラブ厚の増加を防ぐことにも貢献し、天井裏の空間を有効に活用した遮音対策が可能であるとのことだ。
大成建設では今後、リニューアルやコンバージョン時の遮音対策など既存建物における天井裏の空間活用として、またホールやスタジオなど高い遮音性能が要求される施設、地下鉄や設備機器に近接する建物などへの提案として「T-Silent Ceiling(SM)」を選択肢に加え、幅広い建築物への適用を目指していく考えだ。
(画像はプレスリリースより)
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大成建設 プレスリリース
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