高精度なドローン空撮測量システム
鹿島は9月25日、ドローンを使った3D図面作成システムを開発し、大規模造成工事に適用したと発表した。
3次元図面の製作などを手掛けるリカノス社と共同で開発したもので、ドローンで上空から写真を撮影して測量するシステム。これまでの撮影測量に比べ、制度が高いのが特徴だ。

導入費用は光波測量の5分の1以下
大規模な造成における切盛土工事では光波測量機による地上測量が一般的だが、手間とコストがかかることから、安価で手軽なドローンによる写真測量が普及しつつある。しかし、精度が安定せず、プラスマイナス10センチ程度の誤差が出るという課題があった。
そこで鹿島とリカノス社は、測量精度を上げるために測量状況に最適な機器の選定や使用ソフトの組み合わせを見直し、さらに補正プログラムを高度化させた。
今回適用した約2ヘクタールの造成工事では、空撮にかかった時間は約10分だった。撮影した写真を合成して3次元図面を完成させるまでの時間も約4~5時間と非常に短期間で完了したと報告している。所要時間を大幅に削減できるほか、昼休みなどに撮影できるので工事の進捗を妨げないメリットもある。
また、精度に関しても3Dレーザーによる測定値との誤差を、プラスマイナス6センチまで縮めることに成功した。費用も、光波測量の5分の1以下と経済的だ。
鹿島建設は今後、新たな空撮測量システムを造成工事のみにとどまらず、ダム工事などにも積極的に活用していく方針だ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
鹿島建設株式会社のプレスリリース
http://www.kajima.co.jp/news/press/201509/pdf/25c1-j.pdf