3次元モデルでスタジアムの形状を再現
大成建設は3日、芝生の育成環境を配慮したうえで最適なスタジアム形状をシミュレーションするシステム“T-Heats Turf”を開発したと発表した。

同システムは従来の温熱環境解析・評価システムである“T-Heats”をもとに開発されており、3次元モデルによってスタジアムの形状を再現。その形状次第で生じる芝生面での風速の減衰や、温湿度の上昇、冬期の日射量不足といった要因・状況をシミュレーションし、芝生の育成が妨げられる特定の箇所を検出することが可能だ。
また同システムを既存施設に応用した場合、仮にスタジアムの開口部や屋根などで形状を変更した場合、芝生の育成環境がどの程度変化するかをシミュレーションすることができる。
芝生の育成環境を考慮したスタジアム建設を可能に
大成建設によれば、スタジアムではスタンド屋根の形状や施設の規模により、夏期に高温多湿になる場所、あるいは冬期に日射量が足りなくなる場所などが生じ、芝生の育成が妨げられるケースがあるという。
同社ではこうしたケースを踏まえ、今後スポーツスタジアム建設などの案件に対して“T-Heats Turf”の利用を提案。芝生の育成環境を妨げないようなスタジアムの形状を検討する際、評価ツールとしての活用を図る考えだ。
また既存スタジアムの改修案件に対しても、ケース次第では同システムを用いた解析を実施。芝生の育成状況・品質が十分でないといった課題に対し、育成環境を妨げる要因を見つけ出すことで、改修工事の内容を検討していくといった活用法を想定しているとのことだ。
▼外部リンク
大成建設 プレスリリース
http://www.taisei.co.jp/about_us/release/