地権者24名が地裁に提訴 矢作建設側はコメント控える
愛知県名古屋市内の土地開発に関連し、同市のゼネコン矢作建設工業らが課税に対する適切な説明を怠ったとして、地権者24名が15日、同社および不動産業者らを相手に6億円超の損害賠償を求める訴訟を起こしたことが明らかとなった。
矢作建設では同社側に訴状が届いていないとの理由より、現時点でのコメントを控える意向を示している。
開発用地の取得で説明に不備か
名古屋地方裁判所に届けられた訴状によると、地権者らは2011年、名古屋市中川区の開発事業にからみ、必要とされる土地を矢作建設へ提供することで同社と合意。
この際、提供する土地の代わりに別の土地を取得する契約を結んでおり、仲介した業者からはこれら一連の契約が土地の「等価交換」にあたり、課税対象外となるとの説明を受けたという。
しかし名古屋国税局はこれら契約について、土地の「等価交換」ではなく「売却」を行ったものと判断。結果として、地権者らは約2億1000万円を課税される形となった。
損害賠償は総額6億円超に
地権者らはこうした過程を踏まえ、契約に関与した矢作建設と不動産業者らによる説明・手続きに不備があったことで、不当な損害を被ったと主張。課税分約2億1000万円の賠償を同社らに求めている。
また代わりに用意された土地が不当に小さいものであったとして、地権者らはその損害額にあたる約3億5300万円なども合わせて要求。これらを合わせた損害賠償の総額は約6億2000万円にのぼるとみられている。
▼外部リンク
矢作建設工業
http://www.yahagi.co.jp/