株式会社大林組は15日、大阪ガス泉北製造所において2013年4月に実施したPC防液堤の施工に関し、2015年日本コンクリート工学会賞の「技術賞」を大阪ガスと共同で受賞したと発表した。
日本コンクリート工学会は1976年「日本コンクリート工学会賞」を設立。同賞の授与を通じて、コンクリート工学および技術の進歩・発展に寄与した数々の功績を評価してきた。
今回、大林組が大阪ガスと共同で同賞を授与されたのは、“スリップフォーム工法による世界最大の地上式LNGタンクのPC防液堤コンクリートの建設”が、コンクリート構造物を短期間かつ合理的に施工する上での資料・実績としての有益性、およびコンクリート技術の進歩・発展に対する貢献の両面で評価されたことによる。
この「スリップフォーム工法」は、FORM(コンクリートの型枠)をジャッキで押し上げ、SLIPさせ(滑らせ)つつ上昇させることで、コンクリートを連続的に打設しての構築を行うもの。
コンクリートを高さ3~4mごとに分割して打設する従来工法では工期に約10ヵ月を要するところ、今回大林組はスリップフォーム工法の採用と昼夜連続での施工を組み合わせることで、工期を20日間まで縮めることに成功した。
また建設に当たってはコンクリート打設と補強鉄筋を並行して行うなどの工夫を重ねたほか、中流動コンクリート(スムースクリート)の採用とその施工性や初期強度管理方法の確立、耐久性の検証などを実施したという。
大林組では今後も技術開発を進め、社会のニーズに応え得るコンクリート構造物を高精度かつ短期間で建設できるよう努めていく構えだ。
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株式会社大林組 最新情報
http://www.obayashi.co.jp/news/news_20150701_1