鹿島建設は、7月14日、除去土壌から土以外の草木などを選別・除去する際に用いる選別補助材として、従来品よりも高機能な「泥DRY(デイドライ)」を開発したことを発表した。
除去土壌の中でも、農地から排出されたものは、水を多く含んだ粘性の高い泥土。そのまま選別機械に投入すると泥分が付着し、うまく機械が作動しないことから、事前に粘性の高い土質から砂状に改質する必要がある。
しかし、改質する際、従来のように生石灰を使用すると周辺環境への影響も懸念されるとし、より高性能で環境負荷の少ない選別補助材が求められていたという。
「泥DRY」は、無機材料を主体とした、環境に優しい中性の選別補助材。高含水粘性土に添加、約2分間撹拌することで、素早く、確実にサラサラの砂状に改質することができる。
また、放射性物質の吸着性能があるゼオライトを配合しているため、汚染土壌に適用することで、放射性物質拡散防止につなげることも可能だ。
なお、同社は除染工事を担当している福島県双葉郡富岡町にて、実際の農地の高含水粘性土を用いた比較実験を実施。添加量は、従来の生石灰より少量で十分な性能を発揮したという。
同社は、福島第一原子力発電所事故で発生した放射性廃棄物の安全な処理のため、積極的な技術開発に取り組んでいる。
今後、中間貯蔵施設の埋め立て土壌の減容化に貢献するべく、「泥DRY」と適切な混合撹拌・選別装置を組み合わせることで、さらに高精度な選別作業を可能にするシステム構築を進めていく方針だ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
鹿島建設 プレスリリース
http://www.kajima.co.jp/news/press/201507/