西松建設株式会社は、トンネル掘削に使用するドリルジャンボを用いて切羽前方の地山コアを、速やかで持続的に採取できるコアボーリングシステム「Core-DRISS」を開発した。
山岳トンネルの掘削時において、切羽前方を把握するための調査手法の1つにコアボーリング調査がある。通常、この方法では、専用のボーリング機で回転削孔し、コア採取を行う。しかし、調査のたびに切羽に専用の設備を設置する必要があり、また回転削孔作業に要する時間もかかる。
今回開発したCore-DRISSは、ドリルジャンボに搭載されている回転打撃式の削岩機をベースに、センターホールビット、コアチューブ、大口径削孔ロッド、コアチューブヘッド、オーバーショット等から構成する。
ドリルジャンボをそのまま使えるため、専用の削孔機や技能者が不要。また、連続的なコア採取により、従来に比べて作業時間が半減し、25パーセント程度のコストダウンが見込まれる。
ドリルジャンボを応用したことで、あらゆる方向へのコアボーリングが可能になり、複数箇所の同時作業もできる。
既往の削孔データを使用した地山評価手法と併用すれば、より詳細な調査が可能。更に採取したコア試料を分析すると、重金属等の含有可否の評価もできる。
適用性の確認では、異なる力学的性状を持つ複数の供試体を用いて30メートルの連続コアリングを模擬した削孔実験を実施。実験の結果、いずれの供試体においても良好なコアの採取が可能なことを実証した。
同社は、Core-DRISSの特長を活かして様々なトンネル工事現場に展開し、システムの継続的な改良を進める予定だ。
(画像はプレスリリースより)
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西松建設株式会社 プレスリリース
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