鹿島建設株式会社と株式会社フジクラは共同で、Wi-Fiアンテナケーブルの縦敷設技術を実用化し、屋内の無線LAN導入および運用にかかるコストを削減可能にした。
無線LANの普及に伴い、建物を新築する際に無線LAN環境も構築する事例が増加している。しかし、建物の床スラブには鉄筋コンクリートや金属製のデッキプレートが多く使われ、階をまたいで電波を飛ばすことは困難だ。
そこで、建物全体で各階にアクセスポイントを設置することになり、無線LAN環境構築には初期導入コストと、各機器の電気代や保守点検・更新の費用など、維持管理コストが増える。

今回開発した技術は、Wi-Fiアンテナケーブルを、建設工事中にパイプシャフトなどの縦貫通孔に敷設。
アンテナの特性として、アクセスポイントから離れるに従い電波の到達距離が傘状に短くなるため、アクセスポイントを上階、下階の交互に配置することにより、各階の電波環境の差が少ないように工夫した。この配置の工夫により、アクセスポイントの数を減らしコスト削減を可能にした。
この技術を、2015年2月に竣工した仙台市泉区の泉大沢シニアタウンの有料老人ホームに初めて適用。機器購入および工事費等の初期導入コストを約50%削減、維持管理コストも約90%の削減を達成した。
また、通常アクセスポイントは5年程度で更新する必要があるが、更新費用も含めた20年間のライフサイクルコストは、70%以上削減できる試算となる。
現在施工中の鹿島東京建築支店・東京土木支店ビルにも採用し、今後積極的に提案していく方針だ。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
鹿島建設株式会社 プレスリリース
http://www.kajima.co.jp/
株式会社フジクラ プレスリリース
http://www.fujikura.co.jp/