西松建設は23日、斜張橋の斜材保護管調査ロボットである「コロコロチェッカー」を活用することで、調査時に撮影した画像(動画)から保護管の損傷状況を把握可能な「損傷箇所検出システム」を開発したと発表した。
斜材保護管の疲労・腐食による損傷の把握は、斜張橋の維持管理において重要な点検項目のひとつ。この調査にあたっては、高所作業車を使用した目視、および双眼鏡等を用いての遠望目視による損傷状況調査が一般的であった。
こうした中、西松建設は2012年、無線操作で斜材保護管を伝って自ら昇降し、斜材保護管の外周全面を4台のカメラで撮影する調査ロボット「コロコロチェッカー」を開発。これまで調査が困難であった高所の小さな損傷等も、高精度で確認することを可能にした。
今回西松建設が新たに開発した「損傷箇所検出システム」は、この「コロコロチェッカー」を用いた調査で課題となっていた分析作業の効率化に焦点を当てたものだ。システムにはマスク画像処理機能をはじめとする3つの機能が備わっており、「コロコロチェッカー」で撮影した動画ファイルを取り込むことで、損傷箇所を自動で検出することができる。
従来の方法では「コロコロチェッカー」によって撮影された動画から損傷箇所を特定する際、動画を再生しながら目視での確認が必要であった。そのため「損傷箇所検出システム」を導入した場合、これら分析に要する時間を短縮することが可能だ。
またシステムで検出した損傷箇所は青色の枠で表示されるとともに、損傷箇所ごとに1枚の画像ファイルとして保存される。加えて、動画の撮影時刻と損傷画像ファイルはデータベース化してexcel形式で帳票出力できるため、損傷記録の管理がより容易に行えるという。
西松建設では今後、今回のような「コロコロチェッカー」周辺技術の充実に力をいれるとともに、「コロコロチェッカー」そのものにも更なる改良を加え、調査や検査に要するコストの削減につなげていきたい考えだ。
(画像は西松建設Webページより)
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西松建設 お知らせ
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