売電をめぐる環境の変化を受け、建設を再度決定
岩手県は15日、建設工事が進められている盛岡市内の簗川ダムにおいて、水力発電所の「簗川発電所(仮称)」を建設すると新たに発表した。
岩手県では簗川ダムの建設に当たり水力発電所の新設を検討していたものの、売電先のめどが立たなかったため、2006年には発電所の建設を一度断念していた経緯がある。
しかし2011年の東日本大震災ののち、固定価格買取制度が確立するなど再生可能エネルギー導入をめぐる環境が一変。売電へ向け一定の見通しが立ったことから、今回発電所の建設を再度決定したという。
最大出力1900kw、2021年には運転開始へ
今回建設が決まった簗川発電所(仮称)はダム下流の簗川沿いに設けられ、ダム取水口より利水放流管へ引き込まれた水を、そこから分岐した発電専用水圧管路を介して1秒間当たり最大で4.8立方メートル取水し、発電を行うものだ。
想定されている事業費は約17億円で、発電所の最大出力は1900kw(キロワット)、売電電力量は一般家庭約3300世帯分に相当する1年当たり約1100万kwh(キロワットアワー)を見込む。売電に当たっては固定価格買取制度を活用し、1キロワット当たり24円で売電を行う方針だ。
県では今年夏に固定価格買取制度にからむ設備認定を済ませたのち、冬にはダム建設事業にかかる基本協定を締結。2016年度から2020年度にかけて工事を行い、2021年の運転開始を目指す予定だとしている。
(画像は記者席配付資料より)
▼外部リンク
岩手県:簗川ダム建設事業への発電参加について
http://www.pref.iwate.jp/