財務省の諮問機関である財政制度等審議会は15日、第29回となる国有財産分科会を開き、東京都千代田区大手町の国有地を再開発後、民間へ売却する方針を固めた。
国有地の売却例としては、過去にも六本木の防衛庁檜町庁舎跡地(現在の東京ミッドタウン)をおよそ1800億円で売却したケースがあるが、今回はそれを上回る2000億円超での売却が予定されているという。
今回再開発の対象となるのは、国が保有する千代田区大手町二丁目の土地約2万平米。この土地はこれまでNTTや日本郵政、NHKに対して有償で貸しだされ、建物用の敷地として利用されてきた。
今回国ではこの敷地に、地上35階・地下3階からなるA棟と、地上32階・地下3階からなるB棟という2つのビルを建設。それぞれ事務所や店舗、会議室、そして駐車場などでの活用を見込む。
これらビルの建設を含めた開発事業に当たっては、都市再生機構が代表施行者、NTT都市開発が共同施行者を務める。関連する工事は今年5月に始まっており、今後2018年の建物竣工、そして翌2019年における開発事業の完了を目指して工事が進められる予定となっている。
財務省がまとめた資料によれば、国では大手町、丸の内、有楽町の「都市再生緊急整備地域」における都市空間の形成などについて定めた整備目標を踏まえ、再開発によって国際的なビジネス拠点としての機能を強化。
さらに災害対応能力を高めることで大手町地区における業務継続能力の向上へ寄与するとともに、人々の交通にも配慮することで快適な都市基盤の創出に努める考えだ。
また同地区は東京駅近くというビジネスに好適な立地であることから、再開発には土地の資産価値を向上させ、より高額での売却を図る狙いもあるとみられている。
(画像は財務省による配付資料より)
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