株式会社大林組は、技術研究所にゼネコンで初めて最新型ベクトルプロセッサを搭載したコンピュータを導入し、高精度な地震動などの評価技術に活用する。
これまで高解像度のシミュレーションには、公共研究機関が保有する高性能計算機や、社外のクラウドコンピュータサービスを利用していたが、社外のコンピュータは制約が多く迅速な対応ができないことが課題だった。
今回導入するベクトル型スーパーコンピュータ「SX-ACE」。従来機種と比較し、消費電力を10分の1、設置面積を5分の1に低減したスーパーコンピュータ。世界トップクラスの演算性能とメモリ性能を誇る。
巨大地震で発生する長周期地震動。この地震動が建物に与える影響を評価するためには、震源域を中心とした広範囲におよぶ大量の地震波を総合的に評価する高解像度のシミュレーションを行う。「SX-ACE」の導入により自社で全ての解析ができるためより迅速な対応が可能になる。
また、大林組が開発した「数値風洞 エアロダイナ(R)」は、シミュレーションにより、風洞実験と同等な結果が得られる風荷重評価システム。これまでは、設計に必要な計算はシミュレーションの実施に数ヵ月を要したが、「SX-ACE」では、同計算を約2週間で実施できる。
これにより被害事例の多い竜巻やダウンバーストなどを再現し、突風が建物に与える影響の評価が可能。さまざまな条件でのシミュレーションを行い、高い安全性が求められる重要構造物や工場などの建築物の計画・設計に大きな効果が期待できる。
大林組とNECは、IT分野の最先端技術の導入に積極的に協力し、多様なニーズに応えた建物の追求と安全・安心な社会の実現に貢献するという。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
日本電気株式会社 プレスリリース
http://jpn.nec.com/
株式会社大林組
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