今月22日に、野村不動産と長谷工コーポレーション、ブリヂストンの3社は、建物の水周りを自由に配置、設計可能な排水システムを共同開発し、その第一段階として、キッチンの実用化に乗り出した。さらに現在、特許出願中であると公表した。
共同開発による「サイホン排水システム」は、水が落ちることで発生する引く力(サイホン力)を利用して排水するシステム。従来は、勾配をつけることにより水の流れを作り排水をする方法。
「サイホン排水システム」は、従来より小口径(内径20~25ミリメートル)の排水管を使用し、ひとつ下の階で排水立て管に合流させ、サイホン力を利用して排水するシステムである。
そのため、排水管を通すために必要であった床下空間を低く設計することができるようになった。さらに排水管の無勾配化が図れるため、水廻りのレイアウトが自由に配置できる。
・キッチンやユニットバスなど、水廻り設備を自由に配置できるため、プランバリエーションが拡充できる
・リフォーム時に水廻り設備のレイアウトの自由度が向上する。
・排水立て管を共用部に設置可能なため、専有部でのメンテナンスや更新作業が不要。
・「サイホン排水システム」では強い水流と満水での排水による自掃能力で排水管の詰まりが軽減。
今回、キッチンへの実用化が可能となった「サイホン排水システム」。今後はユニットバスやトイレなどへの採用拡充を目指している。これにより家族構成や介護対応など、もっときめ細やかなライフスタイルの変化に応じた間取りの変更が可能となるだろう。長谷工コーポレーションが自社施工物件での採用を目指している。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
野村不動産株式会社 プレスリリース
http://www.nomura-re.co.jp/cfiles/news/n2015052200934.pdf