水底の汚染物質を効率的に除去
五洋建設は4月21日、新たな環境浚渫工法「SEND工法」を開発したと発表した。
新工法は五洋建設が開発した密封性の高いバケット内に掘削土の吸引回収機構を加えて効率を高めた新技法で、主な特徴は5つ。
低コスト、高効率に浚渫を実現
第1は、薄層浚渫。正確な進度管理に加え、たいらなバケットを使うため余掘りが少なく、15センチの超薄層の浚渫が可能だ。
第2は、密閉吸引。密閉されたバケット内で掘削土をかくはんするので、汚濁が外部に漏れ出ない。実証実験では、全水深で濁度ゼロを実現している。
第3は、余水低減効果。吸引前にバケット内の水だけで掘削土をスラリー化して吸引を行う。このため吸引時間が大幅に短縮され、吸引中に外部から取り込む水量も削減できる。
第4は、異物への効率的な対応。掘削土に含まれる石などの異物はバケットのスクリーンで捕集され、バケット開放時に水底に戻される。バケット内に異物がたまらないので、吸引口の閉塞トラブルが防止できる。
第5は、高効率、低コスト化の実現。ワイド開閉機構のSENDバケットを用いるので着底面積が広く、一度に広範囲の掘削が可能。循環流方式でかくはんするため混合力が大きく、短時間でスラリー化が完了する。
また、非昇降式で揚土を行うので、水深が深くなるほど効率的な作業が可能となる。水深マイナス7メートルより深い所では、従来のEND工法より期間が短縮できる。浚渫土の含泥率を高めたことで、余水処理工程でのコストダウンも実現した。
(画像はニュースリリースより)
▼外部リンク
五洋建設株式会社のニュースリリース
http://www.penta-ocean.co.jp/news/2015/150421.html