「信頼性設計法に基づく耐震設計システム」を開発
大成建設は4月3日、構造物が地震の被害を受けた際の損傷確率を、高精度かつ短時間で算定できるシステムを開発したと発表した。
想定以上の大地震が構造物に与える損傷率の計算方法には、「信頼性設計法」という手法が使われる。「信頼性設計法」は「確率論的方法」を用いるため、正確性を求めるためには何万回にも及ぶ計算が必要となり、多大な労力と時間を要する。
このため、実務設計では簡略化された設計法を用いて計算を行っているが、この設計法では部分的に安全係数を用いて試算するだけなので、損傷確率の正確さに疑問があった。
信頼性設計法の計算処理時間を大幅に短縮
そこで大成建設は、「信頼性設計法」の計算時間を大幅に短縮しながら、精度の高い設計システムとして「信頼性設計法に基づく耐震設計システム」を開発した。
大成建設が既に開発している構造物耐震解析プログラム「TDAP III」の並列分散処理や、統計分析などの機能を強化し、これまで1か月程度かかっていた計算を、約1日で完了させる。
さらに震度や地盤、コンクリート材料など特性のばらつきによって異なる損傷率を、変形量や構造物の強度などを組み合わせて高速で繰り返し計算を行うことで正確さを向上さた。
今後は、発電施設や公共インフラ施設など重要な建築物の耐震設計に「信頼性設計法に基づく耐震設計システム」を適用し、耐震性の高い構造物の構築を目指す。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
大成建設株式会社のプレスリリース
https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2015/150403_3836.html