株式会社日立製作所が、5MWダウンウィンド風力発電システム「HTW5.0−126」初号機の建設を完了したと発表した。
再生可能エネルギーの固定価格買取制度が導入されたことにより、現在は太陽光発電所や風力発電所の建設が進んでいる。とくに日本では立地場所や景観、騒音などの制約が少ない洋上風力発電の導入拡大が期待されており、すでにいくつか建設予定がある。
その一方で洋上の風力発電所は、陸上の場合と比較すると1基あたりの建設・運用費用が高く保守も難しい。そのため1基毎の出力が大きく、高い信頼性を有した洋上風力発電システムが求められている。
今回建設された「HTW5.0−126」は、洋上風力発電所に向けた大型化ニーズに対応したものだ。これまで主に建設されていた2MW級風力発電システムと比較すると、定格出力が約2.5倍、ローター直径が約1.5倍となる。
また日立独自のローターを風下側に配置するダウンウィンド方式を採用しているため、暴風時にもローターが横風を受けない向きを保持する。そのため風荷重を低減することが特長だ。
新たに開発した永久磁石同期発電機と中速増速機を組み合わせることにより、システム全体の軽量・コンパクト化と信頼性の向上を図っている。
今後は試運転やパワーカーブなどの検証・評価を行い、2015年夏に日立キャピタル株式会社と日立の共同出資会社である日立ウィンドパワー株式会社に納入。「鹿島港深芝風力発電所」として商用運転が開始される予定だ。
(画像はニュースリリースより)
▼外部リンク
株式会社日立製作所 ニュースリリース
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