キヤノンマーケティングジャパンとキヤノンITソリューションズは3月18日、建設業向けの3Dソリューション事業を強化すると発表した。
キヤノンは、これまで主に製造業向けに提供してきたMR(複合現実感)システム「MREAL」を、大林組の依頼で建築物の事前検証用のシステムとして構築した。発注者が建築物のイメージを、正確に把握するための3D-CG技術だ。
大林組はバーチャルリアリティ技術に関する研究を進めてきたが、モニターやプロジェクターによるイメージの再現だけでは建築物のイメージを正しく把握できないと感じていた。
そこで周囲の景色と建築物を、利用者の目線に合わせてリアルタイムに動く映像で再現する「MREAL」の導入を決定。図面やデータではなく、実際の3D映像を目の当たりにすることで、直感的に設計やデザインが理解でき、周囲の環境との調和が容易に確認できるようになった。
発注者がインテリアの色や形などを具体的な映像で確認できるため、意思決定が円滑に進むというメリットもある。2014年に大林組が施工した、キヤノンの川崎事業所の建設プロジェクトでも「MREAL」を活用し、業務の効率化が確認された。
今後は建築物の外観や室内のインテリアだけにとどまらず、空調配管や耐震構造など、見えない部分の設備に関しても「MREAL」の活用が検討されている。同時に、大林組の事例を皮切りに建築分野の設計、施工、プレゼンテーションでの活用を積極的に提案していく方針だ。
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キヤノンマーケティングジャパン株式会社、キヤノンITソリューションズ株式会社のニュースリリース
http://cweb.canon.jp/newsrelease/2015-03/pr-mreal-obayashi.html