経済的で地震に強い新工法
大林組は3月13日、独自開発の柱梁接合工法「ウィングビーム工法」を改良し、耐震性能を強化した「新型ウィングビーム工法」を開発したと発表した。「ウィングビーム工法」は鉄骨造建物の現場溶接型の柱梁接合工法である。
「現場溶接型」の柱梁接合工法は、工事現場で梁のフランジを柱に溶接するため、「工場溶接型」に比べて経済的なのが特徴だ。また、柱から梁への突出部がないため保管しやすく、輸送コストも低減できる。
しかしその一方で、柱梁接合部の破断リスクが大きいため、「工場溶接型」に比べて耐震性能に劣るというデメリットが指摘されていた。
強度は一般の現場溶接型ストレート梁の4.5倍
そこで大林組は経済性はそのままに、耐震性を高めた「ウィングビーム工法」を1999年に開発。台形型のハンチをフランジの梁端部に設けて柱梁接合部の強度を高めたもので、これまで多くの建物に使われてきた。
しかし近年、首都直下地震や南海トラフ地震などの巨大地震に備えるため、より高度な耐震性能を持つ工法が求められている。
そこで新たに「新型ウィングビーム工法」を開発。一般的な現場溶接型ストレート梁に比べて最大約4.5倍、従来のウィングビーム工法に比べて最大約3倍の耐震性能を実現した。
また、長周期地震動で懸念される揺れの繰り返しに対しては、現場溶接型ストレート梁に比べて最大約11.6倍、従来のウィングビーム工法に比べて最大約4.8倍の強度を誇る。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
株式会社大林組のプレスリリース
http://www.obayashi.co.jp/press/news20150313_01